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★第65号★口下手を克服した名刺バカ(3:素人流営業術編)

メールマガジン配信日:2008年12月10日

       コネなし、金なし、人脈なし、学歴なし、最高!
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            社┃長┃の┃言┃霊┃
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          ピンチ脱出法と問題解決方法

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           Vol.65 2008/12/10 発行  

     起業して自力で稼ぎたいけど、どうすりゃいいんだ?
   長く会社経営やってるけど、今までのやり方ではダメなのか?
    その答えは、実践している社長の本気の言葉に学ぼう!

          【口下手を克服した名刺バカ】
             <素人流営業術編>


■ごあいさつ
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先日、家族で初めてカラオケに行った際、お父さん歌い過ぎ!と娘に泣かれて
しまった中野です。
家族といえども、カラオケでは気をつかいましょう。

今回は本編が長いので早速参りましょう!転職を繰り返しながら、いろんな事
を学び、時代の大きな変化に翻弄されていく話です。

※過去の社長取材のお話はバックナンバーでどうぞ!ちょっと重いかも・・・
■バックナンバー→ http://blog.mag2.com/m/log/0000170107
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■このメルマガはこんな方にお薦めです■━━━━━━━━━━━━━━━━

 ・出世を目指しているビジネスマンの方
 ・アンテナビンビンの経営者の方
 ・野心あふれる起業家予備軍の方
 ・向上心旺盛な学生さん
 ・ネタを探しているコンサルタントの方
 ・更なる飛躍を狙う個人事業主の方
 ・時代の変化についていけないベテラン経営者の方


_▼▼I_N_D_E_X▼▼_____________________


 【1】 引き籠もりを脱出させた一言

 【2】 バブル時代の光と陰

 【3】 不自由で気がついた無限の可能性

 【4】 違和感を利用した営業方法

 【5】 編集後記時「厳しさや逆境が、人を成長させますねん」




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┃【1】┃引き籠もりを脱出させた一言                 ┃     
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■先週の続き

血便、血尿、ピーナツ大の円形脱毛症にまでなった印刷会社勤務の末、聞こえ
てきた心の声とは・・・

先週のお話↓
http://blog.mag2.com/m/log/0000170107



池上さん/まさに激務ですね。それ身体壊す人とかいなかったんですか。

中野///それがある時から血便血尿が普通になっちゃって。あと原因不明で
     手足がしびれたりとか、自律神経もおかしくなってました。
     まだ二十歳そこそこでそんな有様でした。
     中にはある日突然失踪する社員もいましたし、最短では入社後3時
     間で辞めた者もいました。スリッパだけ残して、お昼から帰ってこ
     なかったんです。

     まあそんなところに3年間いたんですけど、履歴書汚すもの嫌だっ
     たんで3年間は耐えたんです。

池上さん/そこまで耐えた中野さんが退職を思い立ったのは、どんなきっかけ
     だったんですか?

中野///退職する前日に一人で残業してたときに心の中で声が聞こえたんで
     すよ。潜在意識から湧き出てきたような感じで、
     「もういいんじゃないの?」って・・・・・
     「確かにもういいかな」と思ってその場で辞表を書いて翌日提出し
     ました。

池上さん/(笑)。なるほど。天の声が聞こえてきたわけですね。でもそれだけ
     ハードな業務をしてて、先ほど血便や血尿という話はありましたが、
     精神的にはおかしくならなかったんですか? 最近は過重労働での
     うつ病などで労災の認定がおりたなんて話も聞きますけど。

中野///僕にはおよそ「鬱」とか「引き籠もり」とかは縁がないと思ってい
     ましたが、今から思えば退職後しばらく家から出られませんでした。
     
池上さん/そうだったんですか。

中野///燃え尽き症候群というか、あしたのジョーの灰になった状況という
     か・・・どれほどの期間だったかは忘れましたけど精気が抜けて行
     動出来ませんでした。最後には母親が切れて

     「ええかげんせぇ!!とっとと仕事を探しに行けっ!」

     と、家を追い出されて、朝っぱらから映画館で映画を見たりしてま
     した。

池上さん/お母さんの厳しい態度でなんとか家を出たんですね。

中野///そうです。ウチのおかんは、引き籠もらせてくれるほど甘いひとで
     はなかったです。それが良かったですね。
     それからはバイトとか派遣仕事でつないでて、その後デザイン会社
     に就職したんです。

池上さん/次のステップに進めたわけですね。前の会社の激務の経験がありな
     がらも再度デザイン会社に就職したんですか?

中野///次の会社はデザインが中心の会社なんで、印刷会社とは違ってデザ
     イナーが主役の会社だったんでね。それが選んだ理由です。

池上さん/ということは、中野さんがやりたかったデザインに専念して仕事が
     出来たんですか?

中野///そうですね。あと勉強させてもらったのが、その時はバブルの時代
     だったんでバブル社長の生活みたいなものを至近距離から見させて
     もらったんですよ。本人がメルマガ読んでいたら困っちゃいますけ
     どね(笑)。

池上さん/それはどんなもんだったんですか??




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┃【2】┃バブル時代の光と陰                     ┃     
┗━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


中野///社長は毎晩飲みに行ってました。大阪の北新地という場所で・・・
     東京で言うたら銀座ですわ。
     だから毎月の飲み代半端じゃないですよ!しかもどんぶり勘定でし
     たし経営戦略の計画性もゼロでした。
     それでもバブル期なので仕事が来るんですよ。その社長は飲み屋で
     知らない会社の社長と知り合って仕事を獲得してくるんです。
     遊びながら営業しているということですね。

     ある時、某経営者と知り合って、そこがお店を出すということでそ
     のお店のロゴのデザインの仕事が来たのですが、見積もり見たら
     100万と書いてあるんですよ!でもそのロゴのデザインをしてる
     のは僕なんです。当時二十代前半の駆け出しデザイナーの僕らが、
     ちょろちょろっとデザインしたら100万ですからね・・・
     まあそういう時代だったんですね。

池上さん/なるほどー。すごい商売ですね。営業手法もすごいけど物の価値感
     もすごいですね!

中野///その他にも、女遊びやら、バイクレースのスポンサーやら、金の使
     い方がもうプライベートなのか仕事なのか、もうぐちゃぐちゃでし
     た。当然車は外車だし、社長の友達もみな外車でしたね。当時は運
     転手役として、いろんな外車を運転させられました。
     
池上さん/まあよくイメージするバブル絶頂期の社長 という感じだったんで
     すね!

中野///そうだったんですよ!ただその1年後にバブルが崩壊したんです。
     これはもしかして、すごい事が起きる前兆では・・・と思ってたら
     案の定すごいことになったんですね。

池上さん/その社長にどんな変化が訪れましたか??

中野///まあどこまでしゃべっていいのか・・・。まずバブル社長仲間の一
     人が夜逃げしたんですよ。うちの社長は保証人になっていたんであ
     る日突然借金を抱え込むわけですよ。そんで会社の会計を色々と調
     べて行ったら他にも色んなとこに借金があるわけですよ!次から次
     への出てきてですね、一気に崩れて行くんですよ。

池上さん/180度、違う生活になっていくわけですね。

中野///銀行の態度も手の平を返したように変わりましたね。私は入社1年
     目でしたけど会社があっという間に傾いていく中、ある日社長から、
     「会社を継いでくれ!」と言われたんですよ。

池上さん/えっ??中野さんがですか?

中野///そうなんです。社長曰く「自分は別の稼げるとこで稼ぐので、この
     会社を守ってくれへんか?」と言われてね。まだ21歳くらいです
     よ。
     社長が女と遊んでいる時でも、徹夜で必死に仕事してたんですけど、
     あげくに借金まみれの会社を任せたいと言われましてもね・・・
     継ぐ理由がどこにも見あたらないので、お断りしてその場で辞めま
     した。

池上さん/借金背負わされるところでしたね(笑)。もし引き継いでいたら全
     く違う人生だったかも知れないですね。

中野///ですねー。まあいくら子供だったにせよ、そこまでバカじゃないで
     すよ。
     ただこのバブル社長からはいろいろ学べました。一つは僕を自分の
     枠にはめようとしないでくれたことですね。と言うのも、僕はデザ
     インをする時に、社長の指示に従わないことがよくあったんです。

池上さん/自分で手を加えちゃうとか?

中野///そうです。こう指示されたけど、こっちのほうがええんちゃうかな
     と思った時は、勝手に変更したデザインを提出していました。
         ただバブル社長はそれを結構ほめてくれたんですよ。

     「お前は言うとおりにせえへんやっちゃなー」

     みたいなことを、ほめ言葉として言ってくれたんですよね。変に型
     にはめようとしなかったんです。もちろん社長の指示より良くなっ
     ている自信はありましたけどね!
     めちゃくちゃ破天荒な社長でしたが、そういう僕の枠に外れたとこ
     ろを認めてくれたというのは嬉しかったですよ。

池上さん/そちらの会社を退職してからもまたデザイン会社に就職してるんで
     すよね?

中野///はい。次のデザイン会社の社長はめちゃめちゃ良い人だったんです。
     この社長から学んだのは、普通はお客さんを大事にするけど、仕事
     をお願いしている協力会社がすごい大事やで、と。というかお客さ
     んと同等に大事やで!ということを教わったんですよ。
     言われてみれば確かにそうで、僕らの変わりに仕事をやってくれて
     いるんですからね。今思えば新規開拓するよりも心から信用・信頼
     できる協力会社を探すほうが難しいんですよね。 

池上さん/なるほどねー!!
    
中野///ただこの会社も、バブル後の失われた10年と言われている時期な
     ので、ピンチの時期が来たんです。



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┃【3】┃不自由で気がついた無限の可能性               ┃     
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中野///その会社は堅実な会社だったんですけど、メインの取引先だった旅
     行会社が倒産したんです。そんなこともあって4年勤めたその会社
     も辞めることになったのですが、その時にかなり迷いが生じたんで
     すよ。今の仕事でええんかいな??という迷いですわ。

池上さん/そうなんですか。その迷いとはどんなとこからきたんですか?

中野///昔からよく経費節減で真っ先にやられるのが広告費とかですよね。
     景気に左右されやすい斜陽産業なわけです。あとデザインという仕
     事でどれだけ社会貢献してるんだろう?という疑問もありました。
     このまま自分の人生、この仕事で突っ走ってええんかな?って思っ
     たんですよ。それで20代後半には自分の人生に迷いまくってアメ
     リカに旅しに行ったりとかもしたんです。

池上さん/自分の今後の仕事や人生と真剣に向かいあう時期がきたんですね。
     アメリカに行ったという事ですが、自分探しの旅っていうやつです
     か?

中野///すごく寂しい、すごく辛い体験をしたらそこで何か見つかるかなと
     思いまして・・・実際めちゃくちゃ寂しいんですわ。アリゾナなど
     砂漠地帯をレンタカーで走って、モーテルで一人泊まるわけですか
     らね。で、その旅で一つ見つけたことが、

     「言葉に不自由しなければ出来ないことってないんじゃないの?」

     って思ったんです。旅行前に1年だけ英会話教室通ったんですが、
     簡単な会話しかできないわけですよ。
     ユースホステルで出会ったドイツ人の女の子をデートに誘って、
     OKはもらったものの、時間を勘違いして怒られ、弁解できなかった
     りとか、レンタカーの保険の説明もちんぷんかんぷん、ピザのトッ
     ピングのオーダーすら出来ないんです。もう不自由しまくりです。
     その時に言葉に対しての意識というのをちらっと考えましたね。
     不自由なくコミュニケーションできるというのは無限の可能性やな、
     と思いました。

池上さん/そうですよね。自分の意思や感情を伝えるというのは言葉というス
     キルが必要ですね。

中野///やっぱり国語の基本の三要素は重要でした。でも気付きを得るとい
     う意味では英語がしゃべれなくてよかったですわ。
     この体験は、今やってる言霊マーケティングにもつながってるかも
     しれません。

池上///そんな経験をされてから次は大きな組織に就職されたそうですが、
     そちらではどんなお仕事を?

中野///社員数万人の大手上場会社だったのですが、その子会社の中のデザ
     インをやっている部署が、たまたま募集をかけてたんですよ。僕と
     しては大きな組織も経験してみたかったんですわ。29歳の時ですね。

池上さん/やっぱり一環してデザイン関係のお仕事ですよね。

中野///一時期ぶれた時はありましたけど、僕に出来ることって結局それし
     かないので最後はそこに戻ってくるということですね。
     一つの仕事を一貫してやり続けたことは、後になって大いに役に立
     ってるので、この時の選択は正解でした。

池上さん/大きな組織での学びというのはどんなことがありましたか?

中野///それまでの自分がいかに世間知らずだったかということを知りまし
     た。稟議書なんて書いたことないし、与信って何?って感じだし、
     とにかく組織の仕組み自体が、全く未知のものだったんです。

     デザイナーって基本的に社内に篭りっきりで仕事をしているので知
     らなくても必要性を感じてなかったというか...。もしくは恥をかい
     てたんだけど気付いてなかったか・・・。

池上さん/他にはどうでした?組織が大きくなると部署ごとの役割とか、縦の
     つながり、横のつながりとか
     色々あったんじゃないですか?

中野///まず社内は部門ごとに縦割りで、細かい職制になってて、人間関係
     がより複雑で面倒でしたわ!40社以上ある子会社にも格があって
     互いに微妙な関係性で成り立ってます。さらに本社は本社でどでか
     い三角形の組織があるわけですよ。
     とにかくでかい!慣れるまでは敷地内で迷子になりそうでした。

池上さん/話が通ってなかったり、いくつもの人は部署に稟議が回らないとい
     けなかったりとかありますよね。付き合いとかも大変だったりとか?

中野///入社してしばらくは、正門から入ると警備員のおじさんに止められ
     てました。「業者さんは裏門に受付があるから」てな感じで。
     僕は明らかに会社のカラーと違う人種だったので違和感あったんで
     しょうね。

     そこで自分の中で毎年テーマを決めてたんですよ。最初の1年は
     「長いもんに巻かれてみよう!」というのがテーマでした(笑)。

     まずはルールにのっかっとこうということでね。飲みたくもないお
     酒も飲みましたし、興味ない話にも合わせたし、宴会で化粧もしま
     した。これぞサラリーマン生活!ってやつを満喫しましたよ。

池上さん/まあ大人としての付き合いもやっとこうということですね!
     その後配属部署で統括的な役割となり、最後には赤字から黒字転換
     にしていくということですけど、そこら辺の話を聞かせてください。

中野///子会社とはいえ大きな会社の系列なので、テレビとか新聞で見かけ
     る広告の仕事ができると思ってたんですよ。ところがどっこい、そ
     んなおいしい仕事は大手の広告会社がみんな持って行ってるんです
     よね。入社して驚いたのは、おこぼれみたいな小さな仕事しかなか
     ったということです。

     僕が修行時代にやっていた仕事に逆戻りしたみたいな。ショックで
     した。さらに驚いたのは、そこで働いている人は学校出たての半素
     人集団だったんですよ。

池上さん/ある程度経験やスキルを磨いた人たちというわけではなかったんで
     すね。

中野///広告や販促の基本的なことを誰も知らないですし、やったこともな
     い。ただコンピュータのオペレーションとかは僕より達者でしたけ
     ど、それ自体は直接お金にならないんでね。なのでこりゃ大変なと
     こに来てしもうたーって感じだったんです。

池上さん/マネージャーとして就任し、目の当たりにしたのがそれだときつい
     でしょうね。

中野///そうなんですよ。こんな安そうな仕事でどうやって成り立っている
     の?という疑問が浮かんで調べてみると、今はもう違うんですけど
     当事は親会社から直接自動的に仕事が流れる仕組みがあったんです。
     誰もまともに稼いでいる人がいない中、完全ルーティンワークのみ
     で成り立ってたんです。しかも当事うちの会社は不況知らずだった
     んです。

池上さん/と、いうのは?

中野///親会社が官庁系の仕事で結構儲かっていたので、周りが不況でもう
     ちは関係ないんや!と、当時の上司は言うてたんです。ところがど
     っこい空白の10年が終わる頃は、公共工事が圧縮されている時期
     だったこともあり、その会社にも不況さんがやってきたんですよ!

池上さん/やつはやっぱりやってきましたか(笑)。

中野///親会社から流れてくるはずの仕事も「今後はできないから」と最後
     通告をうけてプツンと切られたんですよ。これでほとんどの利益が
     消滅です。そりゃ大ピンチで部内は大騒ぎですよ。

池上さん/絶対この線は切れないだろうと思っていた線が切れたわけですから
     ね。

中野///そうなんですよ。でもね、そう思っていたのは古い社員だけで、僕
     はいつかはこうなると思ってたんですよ。逆の立場で考えたらいつ
     かはこうするだろうというのは明確でした。

池上さん/そりゃ中野さんとしても早くから危機感あったんじゃないですか?

中野///親会社の担当者からしてみれば、おこぼれの仕事で食いつなぎやが
     って、と思っているんですもん。この状況が変わらなければいつか
     潰れるに決まっているじゃないですか。だから危機感もあったし、
     もっといい仕事がしたいという気持ちもあったんで結構早い時期か
     ら僕は営業社員じゃないのに、営業行っていたりしてたんですよ。

池上さん/あっ、そうなんですか!

中野///儲かっていた頃の当事の上司は、僕が営業に行って仕事を取ってき
     たら怒りよるんですよ!俺の引退まで余計な動きをするな!って感
     じなんですわ。

池上さん/あらら。新たな仕事に対して「余計な事」とは...。引退まで波風立
     たせずにいてくれと。今ある仕事をすれば給料は入ってくるんだか
     らということでしょうね。

中野///当事の上司がよく言ってたのは
     「こんな聞いたこともない中小企業の仕事やって回収どうすんねん」
     でした。全国の法人の90何パーセントは中小企業なのにね。だから
     上司からは「お前営業すんな!」って仕事取ってくれば取ってくる
     ほど怒られるという環境だったんですよ。

池上さん/そんな中野さんの怒られながらも続けた営業が、業績悪化とともに
     どのような評価に変わってきたんですか?





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┃【4】┃違和感を利用した営業方法                  ┃     
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中野///親会社からの仕事がなくなって屋台骨が崩れると、上司の態度もコ
     ロッと変わって、もっと行けもっと行けに急変ですわ(笑)。

池上さん/中野、売上作ってこい!と(笑)。

中野///今まで僕はマイノリティー派だったのに、いきなりメジャーに昇格
     です。なので、今までの人脈頼って徐々に我慢しながらも続けてい
     くと、ちょこちょこと仕事が入りだしてね。さらに外だけでなく、
     中も攻めたんですよ。

池上さん/中というのは本社とかですか?

中野///そうです。グループ内の会社ですね。本社の中にも仕事はゴロゴロ
     転ってますし。本社と他の関連会社だけでもかなりの仕事が埋もれ
     ているのは明確だったんです。ただ今まで誰も本気で取りに行って
     なかっただけです。

池上さん/どんなやり方で、内部への営業をしてたんですか??

中野///「こんにちはー!」って挨拶してただけです(笑)。
     とにかく会社の敷地内に見込み客はゴロゴロいるというところまで
     はわかったのですから、あとはコミュニケーションとるだけです。
     そのとっかかりは挨拶以外にないでしょ。

     エレベータ内で顔を合わせたら挨拶。食堂で会ったら挨拶というよ
     うに。で、徐々に会話ができるようになったら情報が入ってきます。
     どんな種類の仕事があるのか、予算はいくらか、改編のタイミング
     はいつかなど、こっそり教えてくれるんですよ。

池上さん/なるほどね!

中野///それと営業モードに入っていた時は、「おたくが思っていることは
     わかってます。今までは当社はコバンザメでした。でも僕はちゃい
     まっせ!僕は外様だし、そんなやり方で仕事取ろうとは思ってませ
     ん!俺を試してくれ!」と言ってました。向こうからすれば変な奴
     がおるぞーって感じでしたでしょうね。実際に無料で試してもらっ
     て、気に入ってもらったら、それは仕事になりますよね!

池上さん/そうですよね。まずは人との接点を作ることでしょうからね。その
     為に本社をはじめグループ内の企業を歩き回るところから始めたと
     いうことですもんね。

中野///挨拶しまくるところからですね。俺は他の社員とは違う〜っ!とい
     う感じでしたよ。その時は我が強いのがかえってよかったんでしょ
     うね。

池上さん/周りの方から注目を浴びたというのもあるでしょうね。

中野///色んな意味で浮いてましたね。見た目も。(笑)。血統証付の良犬
     の中に野犬が混じりこんでいる感じですよ!自分でも浮いているこ
     とを自覚してたんで、あえてその違和感を利用していました。
     だから自己紹介すると「あんた社員だったの?!」とよく言われて
     ましたわ。

池上さん/社員の中でも異色の存在として移ったでしょうね。今まで保守的な
     方が多かったのに対してアグレッシブなやつがきたぞ!みたいな。

中野///そうですね。当時のお客さんから「中野君、無理せんでええよ」と
     言わた時でも逆に「いや、無理させてください!」って言ってまし
     た。無理してでも突っ走るタイミングでしたから。

     後、内部の仕事を取る際に重要なこととして、上と下から同時に攻
     めるというのが組織で学んだことですね。
     決裁権を持つ上層部と、現場を仕切っている担当者を同時に落とさ
     ないと新規の仕事は崩せないんです。だから顔の広い人脈のある上
     司をよく引っ張り出して、上層部を抑えてもらってました。後は僕
     らが担当者レベルの信頼を得られれば、その仕事は必ず獲れます。

池上さん/営業成績よかったんじゃないですか?

中野///気がついたら本職の営業マンより売上があがってました(笑)。

池上さん/そうか。中野さん営業じゃなかったんですもんね(笑)。

中野///そうですそうです!僕は一切営業の権限を持たされてないですし、
     ノルマもありませんでした。でも数字はダントツトップでした。
     で、ある日「僕も数字を持たせてください」と頼んだことがあっ
     たんですけど、それはできへんと言われたんですよ。
     その理由と言うのが「営業マンが腐ってやる気なくすから」という
     返答でした(笑)。

池上さん/それって上司も認めているということですよね。

中野///言うことも聞けへんし、勝手に動いているけど数字持ってくるから
     文句言えない・・・みたいな感じですかね。
     僕が入社した当時は、5万から15万くらいの仕事ばっかりやった
     んですけど、100万から10000万単位の仕事が入ってくるよ
     うになったんですよ!売り上げの上昇率は2倍、3倍どころのレベ
     ルじゃなかったんです。

池上さん/営業担当ではなかった中野さんが、それだけの成果を挙げ実績が認
     められていたのであれば、会社として考えれば中野さんを営業部に
     配属して、中野さんのやり方を浸透させていくことを考えた方が、
     会社としてはプラスになるのかなと思うんですけど、会社はそうは
     しなかったんですよね?

中野///その時には、僕のセクションの求人媒体選定、求人広告のライティ
     ング、面接から、デザインの企画、事業の販促、営業までほとんど
     僕が仕切ってたので、会社はすぐにはそうしなかったんですけど、
     結果的にそうしたんです!

池上さん/というと??

中野///ある日突然、東京に行ってくれと言われたんです。




┏━┓   ┏━┓   ┏━┓
┃つ┃   ┃づ┃   ┃く┃
┗━┛   ┗━┛   ┗━┛





編┃集┃後┃記┃━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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【厳しさや逆境が、人を成長させますねん】

 子育てと社員教育は似てると思います。優しいだけではダメなんです。伸び
 ないんです。親は子供が転んで泣いてても、自力で立ち上がるまで助けたい
 気持ちを抑えて待つ姿勢が、時には必要なんです。「泣くな!自力で立て!」
 という愛情持った厳しさが、自立心を育むんだと思います。

 僕が燃え尽きて引きこもっていた時、放り出してくれたオカンに感謝です。
 小さい頃、ケンカに負けても勝つまで帰ってくるなと追い出してくれたオカ
 ンに感謝です。

 話変わって、今は数十年に一度の大不況がどうのこうのと世間では言ってま
 すが、僕にはイマイチぴんときません。なぜならば今までの人生で好況を実
 感したことが一度もないからです。

 社会出たらバブル崩壊。その後の失われた10年でじわじわ景気が下まで降
 りてデフレだなんだと続き、とどめが今回のリーマンショックです。僕から
 言わせれば今更何? ずーっと不況なんですけどって感じです。社会出てか
 ら今まで、斜陽産業で不況下の中、奮闘するのが普通の状態です。でも売り
 上げは一応、毎年上がってます。

 こんな時期でも好調な会社は、中小にも沢山あります。僕は今まで通り、こ
 の状況下、どうすればいいかを考え、実行するのみです。ピンチなんていつ
 もの事です。次回のメルマガにも、その辺りのことを書きます!


 ※この本にもピンチや解決法を書きました!もうすぐ完成です。

 ↓
http://www.amazon.co.jp/dp/4534044860/ref=nosim/?tag=10000000en-22

 ※先日最終のゲラチェック完了。いよいよもうすぐ完成です。
  現在は予約販売のみです。


         ソウルプロダクツ代表 言霊マーケッター 中野 貴史

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■発行周期    週1回発行(編集中は間隔が空きます)
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■発行者     ソウルプロダクツ代表 中野貴史(言霊マーケッター)
         東京都中央区日本橋本石町2-1-1 ANOビル208号室
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